最近、よく思い出すことがある。
大学時代の友達で、2008年に46歳でスキルス胃がんでなくなった子がいた。
その子は中学校の先生になり、バスケ部の顧問をして英語を教えていた。
大学卒業後も年に1、2回は会ってご飯を食べたりお酒を飲んだりしている仲だった。
独身で、ずっと不倫をしていて、そのへんがちょっとモヤっとしていたんだけど、私が偉そうに何を言えるわけでもなく、性格もさっぱりしていたし、まあ気のおけない友達のひとりだったと思う。
ところが。
2007年に私がうさぎを飼い始めたのだけど、そのうさぎの写真を見て、
「かわいくなーい」
と言ったのだった。
彼女がなくなる前の年だった。
別にいいじゃん、それって彼女の感想ですよね。
だけど私は、自分でもびっくりするくらい傷ついて悲しくて、そして腹が立ったのだった。
確かに、当時人気のネザーランドのように、誰がみてもかわいいと思える仔ではなかったから、いや、だからこそ、ふびんに思ったのだと思う。
それでね。
彼女が亡くなったとき私はその件を思い出して、ちょっとだけ、
「バチがあたったんだ、ザマーミロ」
と思ってしまったのだ。
いや、もちろん彼女の死は衝撃的だったし、悲しかったのも事実なんだけど、同時にそう思ったのも事実。
自分の心の中の闇をみた。
自分がそんな人間だとは思ってなかった。
割と劣悪だなと思うなどした。
人生に起こる様々な出来事のなかで、少しずつ知らなかった自分の一面を知ることになる。
「なんだ、結構いいやつじゃん」
そんな風に思える瞬間を増やしたい。
アーメン